関係機関による新たな支援を受けた当社は、経営再建に向けた増客・増収施策をより一層展開して行きました。現在まで続く代表的なイベントが、1995(平成7)年8月1日に始まった「矢切ビールまつり」です。猛暑の夏、通勤客が毎日汗だくで帰宅している姿を見て「帰宅前にビールで疲れを癒してもらおう」と企画したのが始まりでした。「屋台も欠かせない」「生演奏のバンドも呼ぼう」とアイデアを出し合い、全て社員の手作りで準備を進めて行きました。お祭り当日の夕方6時、矢切駅のコンコースに生バンドの演奏が響き渡ると、「何だ、何だ?」と次々に通勤客や地元の方々が集い始め、たちまち駅前ロータリーは、ビールを片手にした人々の笑顔であふれかえりました。特設ステージではスイカが当たるビンゴゲームなどで歓声が上がり、観客動員数、実に約3,000名。それまで「矢切の渡し」でのみ知られていた矢切駅が、「ビールまつりの矢切」として名乗りを上げた瞬間でした。以降、地元商店会との共催となった1996(平成8)年には約4,000名、会場スペースを拡大した1997(平成9)年には約7,000名と集客数を増やし、現在では沿線外からも多数の来場者を集める駅周辺活性化の成功例となっています。春の恒例となった「ほくそう春まつり」も、1997(平成9)年に産声を上げたPRイベントの一つです。千葉ニュータウン中央駅の自由通路に青空市や屋台、古道具掘り出し市などが所狭しと並び、1997(平成9)年の3月30日の第一回開催時には約8,000人が詰めかけました。ハッピ姿の社員が早朝から仕込んだ手作りの豚汁をふるまうと、「おいしい」、「あったまる」との声が上がり、逆ジャンケンなどのゲームコーナーでは賞品を手にした子ども達が大はしゃぎする姿がありました。こうして知恵と汗を絞って地域との絆を築く様々な取り組みが、社員の手作りで次々と実施されて行きました。8811矢切ビールまつり2「第1回ほくそう春まつり」開催(千葉ニュータウン中央駅) (平成9年3月30日)3多くの人でにぎわう春まつり会場(平成30年)4会場の千葉ニュータウン中央駅に到着した「ほくそう春まつり号」(平成30年)1995–平成7年5.沿線の風物詩「矢切ビールまつり」 と「ほくそう春まつり」
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