北総鉄道50年史
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先進の思想を生んだ「北総開発鉄道デザインポリシー検討委員会」「10年先を行っていた」と関係者が尊敬の念を持って語るのが、北総開発鉄道デザインポリシー検討委員会を主導した黒岩源雄専務のことです。「欧米の公共輸送機関ではサイン計画やCI計画が定着している」と同研究会を立ち上げ、サイン計画の第一人者である赤瀬達三や、TBS番組宣伝本部副部長の吉村光夫、鉄道友の会副会長・高田隆雄ら錚々たるメンバーを結集して、北総開発鉄道のサイン計画やCI計画策定を先導したのです。当時珍しかった自動精算機の導入や、案内業務の機械化(ロボット化)などの試みも、黒岩率いるこの検討会で編み出されたものでした。ただし、時代を先駆けすぎて上手くいかなかった例もありました。欧米のトラム(路面電車)を意識して吊革を使用しなかったことと、全駅構内に“金かくし”のない斬新なインド式トイレを導入したことなどです。吊革とトイレは「不便だ」とクレームが殺到して後に変更となったものの、北総鉄道の時代を先駆ける精神は、その時から現在に至るまで、脈々と息づいています。columnMemories of the 1980's

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