北総鉄道50年史
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148このため、限られた値下げ原資の中で戦略的な値下げを追求し、まずは、家計負担に直結する通学定期について、最大限の値下げをすることにしました。若い人への投資です。これにより、例えば京成高砂駅~印西牧の原駅の1カ月定期は現行14,990円から、改定後には4,990円となり、6カ月定期の場合は54,000円OFFの26,950円になるなど、首都圏の大手私鉄と同レベルの通学定期運賃に低廉化が図られます。また、値下げ実施の1年近く前という早い時期での運賃改定発表も、異動や転居の動きが活発となる1月~3月を見据えてのことでした。少子高齢化が進む中での地域間競争の時代にあって、北総沿線に活力をもたらす若い世帯に来てもらうため、PRを広く早めに行い、値下げ効果を最大化することを意図したものです。北総鉄道の運賃値下げ発表を受け、運賃問題を巡ってこれまで当社に対し厳しい姿勢だった板倉正直・印西市長からも、「コロナ禍で経営環境が厳しい中、よく判断してくれた」、「子育て世代の一層の増加への呼び水となることを期待できる内容」とのコメントを頂きました。板倉市長といえば、2018(平成30)年6月の北総鉄道の株主総会で、室谷新社長含め取締役8人を選任する議案に唯一反対した強硬派でした。かつては「株主代表訴訟の可能性もふまえ、“北総鉄道の運賃問題全般を考える勉強会”を開催する」との考えを示すなど、先代・平田社長とも厳しく対峙した市長です。44運賃値下げを正式発表(令和3年11月19日)当社の運賃値下げについては、新聞、テレビ、ネットニュース等でも大きく取り上げられましたが、沿線関係者はもとより、世間一般からも概ね良好な評価をいただきました。

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