1282震災直後よりの急激な円高や欧州債務危機も日本経済に大きな影響をもたらし、千葉ニュータウンでも入居や開発の伸びが鈍化。また、震災による福島第一原子力発電所事故等に伴う電力需給逼迫により、当社も日中の列車ダイヤ削減を実施するなど、震災の傷はしばらく癒えない状況が続きました。北総鉄道第10代社長の笠井孝悦氏は、この間、省電力化に向けた駅のLED照明化などを始め一層の経費削減に繋がる施策を進めた一方、「待ちの姿勢や他力本願ではお客様の増加は見込めない」と語り、震災の影響により見合わせていた各種イベントなど増収施策を再開し、需要喚起に努めました。また、2012(平成24)年4月には、当社の創立40周年記念行事として、白井駅最寄りの白井文化センターにおいて、地元小・中・高生の合唱や吹奏楽のほか、プロ演奏家も招いた「音楽会」を開催し、ささやかながらも40周年を祝いました。1会社創立40周年記念「北総鉄道沿線音楽会」開催 沿線の小・中学校・高校の吹奏楽部等による音楽会を白井市文化センターで盛大に開催した(平成24年5月26日)2「ほくそう車両基地まつり」初開催(平成23年8月)3「ほくそう車両基地まつり」4増収施策として新鎌ヶ谷駅高架下で店舗を展開こうした中、当社は2012(平成24)年度決算において、開業から33年目で債務超過の解消(純資産17億7,400万円計上)を果たしたのです。開業当初より多額の建設費用の返済と金利負担に苦しみながら、関係各機関の支援や、血の滲むようなコスト削減努力と金利低下の追い風もあり、2000(平成12)年度の初の黒字達成から12年連続の黒字決算を続け、最大198億円にも上った債務超過をようやく解消したのでした。とはいえ、未だ当社の有利子負債は約880億円、累損は約250億円と巨額であり、なお経営再建には程遠い状況でありました。2012–平成24年3.開業33年目で債務超過を解消
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