北総鉄道50年史
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2009(平成21)年11月に合意が図られました。しかし「北総線の運賃値下げを実現する会」始め、一部の沿線市議や市民からは、今回の値下げ幅や補助金による値下げスキームに対し強い抗議の声が上がったほか、沿線自治体の一部でも、補助金に拠らない値下げの実施を求める意見が出て議会が紛糾するなどの混乱がありました。更には、こちらも沿線市議や一部市民により、北総線の運賃認可取り消しと無効確認、変更命令などを国に求める訴訟(※判決は原告敗訴で確定)も提起されるなど、北総線の運賃問題は沿線地域の政治問題と化し、この後も燻り続けるのでした。また、こうした一方、成田スカイアクセス線開業により、北総沿線への入居や開発にも弾みがつき、北総鉄道の2010(平成22)年の乗客数は2.2%増の3,795万人と過去最高を更新。営業収益は自治体からの負担金はじめ、成田スカイアクセス線の業務受託手数料収入や鉄道線路使用料収入も含めて2.2%増の151億6,600万円と、創業以来初の150億円超えを記録。このまま軌道に乗りかけていくと思った矢先、北総鉄道を、いや東日本を未曽有の危機が襲うのでした。日本史上に残る自然災害、東日本大震災です。1244

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