「北総開発鉄道」から「北総鉄道」へ新たな時代が始まることになりました。車両編成においても、引退を迎えることになるゲンコツ電車からバトンを受け継ぎ、2006(平成18)年2月には後継車7500形が始動していました。当社にとって15年ぶりの新造となるこの車両は、省エネ、低コストを目指した仕様で、車両デザインも、あらゆる意味で北総鉄道の新時代を象徴していました。当社がこれから進もうとする未来をも映していたのです。それは羽田、成田両空港に繋がるという未来でした。両先頭車両側面の帯の一部に濃淡2色の北総ブルーで航空機の翼を表現しており、先頭部に設置した新社名ロゴ「HOKSO」も「K」の部分を飛行機の主翼と尾翼に見立てていたのでした。「近い将来、羽田と成田両国際空港を結ぶアクセス手段として、北総線は文字通りその一翼を担う存在になる」。そんな想いを纏った7500形の登場でした。2006(平成18)年2月19日に実施した7500形の試乗会には、4,290人もの親子が集まりました。千葉ニュータウン地区の14の幼稚園、12の保育園に参加者を募ったところ、予想を上回る応募者があり、その全員を招待したのでした。出発式でくす玉を割る保育園の子ども達。折り返しの矢切駅で記念撮影する親子の姿。「ママ、見て!見て!」と車内ではしゃぐ子らの満面の笑み。千葉ニュータウンの住民らが新電車に寄せる期待がそこかしこにあふれていました。後日、この時の園児たちが描いた絵画を7500形の車内に展示した「ちびっこギャラリー電車」を実施すると大反響を呼び、「朝のラッシュ時の車内が和んだ」などの声が当社に多数寄せられたのでした。こうして7500形は幸先のよいスタートを切ったのです。11411新社名ロゴ2新型車両7500形導入3ちびっこギャラリー電車4沿線の親子を招待した試乗会の発車式 (平成18年2月19日)7500形車両デビュー2006–平成18年5.北総鉄道の新たな時代が胎動
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