北総鉄道50年史
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新鎌ヶ谷駅を出発したその特急は、途中の各駅を通過して、京成高砂駅に向かい疾走して行きました。2001(平成13)年9月15日、ダイヤ改正により特急を新設した時のことでした。平日朝のラッシュ時間帯の上り急行をすべて特急に格上げし、千葉ニュータウンから都心までの所要時間を4分30秒短縮、日本橋まで45分35秒を実現したのです。また印旛日本医大駅行きの終電も32分繰り下げ、24時46分着を最終としました。このダイヤ改正の裏には、「都心までもっと近く」「鉄道の利便性をもっと高めてほしい」という千葉ニュータウン住民の強い要望があったことは言うまでもありません。1993(平成5)年に急行が運行開始したとはいえ、千葉ニュータウン中央駅から日本橋駅まではまだ50分を要し、最終電車が早いこともご利用のお客様からの不満のタネでした。「住民の期待に応えられなければニュータウンの人口は増加しない。そうなれば、利用者数も伸びず、北総開発鉄道の将来はない」と、乗り入れ先の京成電鉄始め、関係各所との調整を図り、特急新設と終電の繰り下げが実現したのです。特急誕生に誰よりも快哉を叫んだのは千葉ニュータウンの住民でした。千葉ニュータウン中央駅から日本橋駅まで45分35秒という移動時間は、横浜駅~日本橋間42分とほぼ同等で、アクセス面でも関東の主な居住拠点に引けを取らなくなったからです。もともと首都圏に近い立地であり、“足”さえ確保できれば、北総線沿線は発展の可能性のある場所です。そんな中、成田空港への延伸計画もいよいよ現実味を帯び、都心にも成田にも近い千葉ニュータウンの価値はますます高まっていくのでした。1081朝のラッシュ時間帯に都心方面へ特急運転を開始 運転開始当初は新鎌ヶ谷から京成高砂までノンストップだった (写真は平成21年撮影)2インターネットの普及に伴い当社でもホームぺージを開設 様々な情報発信を開始した(平成15年7月1日) 写真は開設当初のホーム画面3「ほくそう電車教室」初開催(平成15年7月)2001–平成13年2.都心をグンと近づける 特急運転開始

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